地方競馬の馬主会とは?入会メリットと費用を初心者向けに徹底解説
- POPEYE

- 11月9日
- 読了時間: 5分
「馬主になったら、馬主会に入った方が良いの?」 「馬主会って、そもそも何?」
地方競馬の馬主になったばかりの方や、これから馬主を目指す方にとって、
「馬主会」は少し聞き慣れない言葉かもしれません。
しかし、馬主会は馬主ライフを支える重要な組織であり、
多くのメリットをもたらしてくれます。
この記事では、地方競馬の馬主会とは何か、
その具体的なメリットや費用、
そして共有馬主クラブとの関係について、初心者の方にも分かりやすく徹底解説します。
馬主会とは?
馬主会とは、正式には「一般社団法人」として各競馬場や地域ごとに組織されている、
馬主による相互扶助を目的とした団体です 1 2。
主な目的は、会員である馬主から会費や掛金を集めて基金を作り、
所有馬がレース中の事故で怪我をしたり、
病気で死亡してしまったりといった不慮の事態に見舞われた際に、
見舞金を支給することです。
これにより、馬主が被る経済的な損失を補い、安心して馬主業を継続できるよう支え合う「共済」の役割を担っています。
南関東競馬では、以下の4つの馬主会が組織されています。
•東京特別区競馬組合馬主会(大井競馬場)
•一般社団法人 千葉県馬主会(船橋競馬場)
•神奈川県川崎競馬組合馬主会(川崎競馬場)
•埼玉県馬主会(浦和競馬場)
馬主会に入会する5つのメリット
馬主会に入会すると、会費以上の大きなメリットを享受できることがほとんどです。ここでは、千葉県馬主会などを例に、具体的なメリットを5つご紹介します 2。
メリットの種類 | 内容 | 具体例(千葉県馬主会の場合) |
共済見舞金制度 | 所有馬の死亡・傷害・疾病時に見舞金が支給される | 死亡・殺処分で最大100万円、競走中の傷害で最大40万円など |
着外手当の優遇 | 6着以下の場合に、非会員より多くの手当が支給される | 非会員4万円に対し、会員は合計8万円(4万円上乗せ) |
競走馬購入の助成金 | 2歳馬の入厩やせりでの購入時に助成金が支給される | 2歳馬入厩で1頭100万円、せり購入で最大300万円など |
馬主席の優遇利用 | 通常より多くの馬主席を利用できる | 非会員1席に対し、会員は2席+立見券1枚 |
その他の特典 | 予防接種費用の補助、新馬戦勝利記念品、会報など | ワクチン費用全額補助、新馬戦勝利でゴールドインゴット贈呈など |
メリット1:共済見舞金制度
馬主にとって最大のリスクである、所有馬の怪我や病気。
馬主会の共済制度は、そのリスクを軽減するための重要なセーフティネットです。
会員馬が、船橋競馬場において下記①~③に該当した時、見舞金を支給する共済制度です。
①死亡・殺の場合 → 支給額(80~100万円)
②競走中傷害・調教中傷害は、休養期間により → 支給額(3カ月以上7万~40万円)
③用途変更は加入期間により → 支給額(5~40万円) 2
万が一の事態に備えられるのは、精神的にも経済的にも大きな支えとなります。
メリット2:着外手当の優遇
レースで6着以下だった場合でも、馬主会会員は非会員より多くの手当を受け取れます。
例えば船橋競馬場では、会員は非会員に比べて4万円も多い8万円の着外手当が支給されます 2。
これは、所有馬が出走するたびに受けられる恩恵であり、
年間を通じて見ると大きな金額になります。
メリット3:競走馬購入の助成金
馬主会によっては、2歳馬を新たに入厩させたり、せりで馬を購入したりする際に、
高額な助成金が支給される制度があります。
千葉県馬主会では、2歳馬の入厩で1頭あたり100万円、
せりでの購入で最大300万円もの助成金が抽選で支給される場合があります 2。
これは、新たな馬を所有する際の初期費用を大幅に軽減してくれる、
非常に魅力的な制度です。
メリット4:馬主席の優遇利用
通常、馬主が利用できる馬主席は1席ですが、馬主会会員になると2席利用できるなど、
優遇措置を受けられる場合があります 2。家族や友人と一緒に、特等席で愛馬を応援できるのは、馬主ならではの喜びを分かち合う素晴らしい機会となるでしょう。
メリット5:その他の特典
その他にも、以下のような様々な特典が用意されています。
•予防接種費用の全額補助
•新馬戦勝利時の記念品贈呈(例:ゴールドインゴット)
•会報の送付
馬主会の費用
もちろん、これらのメリットを受けるためには費用がかかります。
しかし、多くの場合、その費用を上回るリターンが期待できます。
費用の種類 | 金額の目安 | 備考 |
入会金 | 100,000円 | 初回のみ |
年会費 | 50,000円~70,000円 | 競馬場により異なる |
共済掛金 | 6,000円/月・頭 | 所有馬1頭あたりの金額 |
出典: 1 2 を基に作成
例えば、船橋競馬場で馬を1頭所有する場合、
年間の費用は年会費5万円+共済掛金7.2万円(6,000円×12ヶ月)で
合計12.2万円となります。
一方、着外手当の優遇だけで年間3回6着以下になるだけで
12万円(4万円×3回)が上乗せで支給されるため、
費用を十分に回収できる計算になります。
共有馬主クラブと馬主会の関係
では、キングビーホースクラブのような共有馬主クラブの会員は、
馬主会とどう関わるのでしょうか。
一般的に、共有馬主クラブでは、クラブ法人が代表して馬主会に入会し、その費用(入会金・年会費・共済掛金)を負担してくれるケースがほとんどです 1。
そして、馬主会のメリットである見舞金や各種手当は、
クラブに支給された後、出資口数に応じて各会員に分配されます。
キングビーホースクラブがどの馬主会に所属し、費用をどのように扱っているかの詳細はクラブに確認が必要ですが、会員の利益を最大化するために、クラブが責任を持って馬主会との手続きを行っていると考えて良いでしょう。
まとめ
馬主会は、単なる馬主の集まりではなく、万が一のリスクに備える「共済」であり、
様々な経済的メリットを提供する、馬主にとって心強いパートナーです。
•目的: 馬主同士の相互扶助と共済
•メリット: 見舞金、手当の上乗せ、助成金など、金銭的メリットが大きい
•費用: 年間10数万円程度かかるが、メリットで十分に回収可能
•共有クラブ: クラブが費用を負担し、会員はメリットの恩恵を受けられるのが一般的
馬主会への加入は、あなたの馬主ライフをより豊かで安心なものにしてくれます。
ぜひこの機会に、馬主会への理解を深めてみてください。