【競馬の基本】馬齢戦と別定戦の違いとは?負担重量のルールを解説
- POPEYE

- 11月16日
- 読了時間: 3分
「この馬、57kgも背負うのか…」 「牝馬だから2kg軽いのは有利だな」
競馬新聞や中継を見ていると、「負担重量(ふたんじゅうりょう)」
という言葉が頻繁に出てきます。これは、競走馬がレースで背負う重りのことで、
レースの勝敗を左右する非常に重要な要素です。
そして、この負担重量を決めるルールには、
主に「馬齢戦(ばれいせん)」と「別定戦(べっていせん)」の2種類があります。
馬主として、これらのルールの違いを理解することは、
愛馬の出走レース選択や、レース展開を予測する上で役立ちます。
今回は、この少し複雑な負担重量の世界を分かりやすく解説します。
負担重量とは?
負担重量とは、レースにおいて各馬が背負う重量のことで、
騎手の体重に、鞍(くら)やゼッケンなどの馬具の重さを加えたものです。
競馬は、馬の能力を競う競技ですが、全馬が同じ条件で走るわけではありません。
負担重量を調整することで、馬の能力差を埋め、より公平で白熱したレースになるように設計されています。
馬齢戦 - 年齢と性別だけで決まるシンプルなルール
馬齢戦とは、その名の通り、馬の年齢と性別のみによって負担重量が一律に決められるレースのことです。
•基本ルール:若い馬は軽く、経験を積んだ古馬は重くなる。牝馬(メス)は牡馬(オス)や騙馬(せん馬)に比べて、基本的に2kg軽く設定される。
•主なレース:3歳馬限定のクラシックレース(東京ダービーなど)や、2歳新馬戦などが代表的です。
例えば、3歳馬限定の東京ダービーでは、全ての牡馬が同じ57kg、
全ての牝馬が55kgを背負って走ります(2024年実績)。
過去の実績や獲得賞金に関係なく、
同世代の馬たちが同じ土俵で純粋な能力を競い合うのが馬齢戦です。
別定戦 - 実績が重さに変わる複雑なルール
別定戦は、馬齢戦よりも少し複雑なルールです。基本となる重量(基礎重量)は
馬齢と性別で決まりますが、
それに加えて過去の成績(獲得賞金や重賞レースでの勝利数など)に応じて重量が加算(加増)されます。
•基本ルール:強い馬、実績のある馬ほど、より重い負担重量を課せられる。
•主なレース:多くの一般レースや、一部の重賞レースで採用されています。
例えば、「Aクラスのレースで、基礎重量は57kg。
ただし、過去1年間に重賞を勝った馬は2kg増、GⅠ/JpnⅠを勝った馬はさらに1kg増」
といったように、レースごとに独自の加算ルールが定められています。
これにより、実績で劣る馬にもチャンスが生まれ、レースの面白みが増すのです。
馬主にとってなぜ重要か?
馬主にとって、この負担重量のルールは、愛馬のキャリアを考える上で非常に重要です。
•レース選択:能力が高い馬でも、別定戦で重い斤量を背負わされると、格下の馬に敗れる可能性があります。どのレースに出走させるか、陣営(調教師など)の戦略が問われます。
•能力の判断:同じタイムでゴールしても、より重い斤量を背負っていた馬の方が、高いパフォーマンスを発揮したと評価できます。
ルール | 負担重量の決まり方 | 特徴 |
馬齢戦 | 年齢と性別のみ | 同世代間の純粋な力比べ |
別定戦 | 年齢・性別 + 過去の実績 | 実績馬には厳しく、新興勢力にチャンスあり |
まとめ:負担重量はレースのスパイス
今回は、負担重量を決める「馬齢戦」と「別定戦」について解説しました。
•馬齢戦は、年齢と性別だけで重さが決まる公平な力比べ。
•別定戦は、過去の実績が重さに反映される、戦略的なルール。
一見すると複雑ですが、この負担重量のルールが、競馬をより奥深く、
面白いものにしている「スパイス」なのです。愛馬が次に背負う重さをチェックしながら、レースの展開を予想してみてはいかがでしょうか。
次回は、さらに特殊なルールである「ハンデキャップ戦」について解説します。