【ザ・ロイヤルファミリー】第7話「継承」あらすじと考察|相続馬限定馬主と涙の口取り式
- POPEYE

- 2 日前
- 読了時間: 5分
2025年11月23日に放送されたTBS日曜劇場「ザ・ロイヤルファミリー」第7話。
そのサブタイトルは「口取り式」でしたが、物語は「継承」という、より深く、
感動的なテーマを描き出しました。
ロイヤルホープの仔「ロイヤルファミリー」の衝撃的なデビュー戦勝利、
そして父・山王耕造(佐藤浩市)の最期と、息子・耕一(目黒蓮)への夢の継承。
涙なくしては見られない、まさに神回と呼ぶにふさわしいエピソードでした。
本記事では、放送後の最新情報を基に第7話のあらすじを振り返り、
物語の核となる「相続馬限定馬主」制度について、
現実の競馬界の実例を交えながら深く考察します。
第7話「継承」のあらすじ
第7話は、耕一の血統への情熱と、父・耕造への複雑な想いが交錯するところから始まります。
耕一の情熱と「3年生きてください」という願い
栗須(妻夫木聡)の計らいで父と対面した耕一は、
当初「相続したい馬はいない」と突っぱねます。しかし、その本心は
「僕が興味があるのはホープの子どもだけなんです」という、血統への純粋な情熱でした。繁殖牝馬の血統について早口で語る「血統オタク」としての一面を見せた耕一は、
父・耕造に懇願します。
「だったら長生きしてください。あと3年、生きてください。僕にホープとハピネスの子供を譲るまで、競走馬になる日まで、絶対に生きてください」 1
これは、後に重要な意味を持つ「相続馬限定馬主」制度のルールが関係していました。
仔馬が競走馬として登録されるまでには約3年かかります。
父がそれまで生きていなければ、仔馬を相続することはできないのです。
この切実な願いは、耕造が病と闘う大きな支えとなりました。
涙のデビュー戦勝利と父の最期
そして3年後、耕造の夢と耕一の願いを乗せた「ロイヤルファミリー」がデビュー戦を迎えます。
スタートで出遅れるという波乱の幕開けでしたが、
最後の直線でオレンジ色のシャドーロールを揺らしながら、凄まじい末脚で全馬をごぼう抜きにし、見事に1着でゴール。
その圧巻の勝利に、栗須と耕一は涙を流して抱き合いました。
しかし、その勝利の裏で、耕造の容態が急変します。
口取り式に向かう直前、栗須は電話で耕造の最期を知らされます。
そして、涙をこらえながら耕一に告げるのです。
「ファミリーのそばに立つのは耕一さんです。今この時から、
耕一さんがファミリーの馬主です。デビュー戦、おめでとうございます」 2
父の死を婉曲的に伝え、夢のバトンを渡したこのシーンは、多くの視聴者の涙を誘いました。「社長、逝ったか」「賢く婉曲的に父の死を伝えた」「馬主を引き継いだことで全てを察する」といった声がSNS上にあふれ、耕造の死を悼むとともに、その感動的な「継承」の瞬間に心を揺さぶられました。
「相続馬限定馬主」制度とは?
ドラマの核心となった「相続馬限定馬主」制度。
これは、JRA(日本中央競馬会)に実在する制度です。
夢を繋ぐための特例制度
通常、JRAの個人馬主になるには、「年間所得1,700万円以上、資産7,500万円以上」という非常に厳しい経済的要件があります 3。
しかし、馬主が亡くなった場合、その相続人に限り、この所得・資産要件なしで故人の所有馬を引き継ぐことができるのが「相続馬限定馬主」制度です 3。
これは、故人の夢を乗せた馬が、経済的な理由だけで競走生活を続けられなくなることを防ぐための、まさに「夢を繋ぐ」ための特例措置と言えます。
制度のポイント | 解説 |
目的 | 登録馬主が死亡した際、相続人が故人の競走馬に限り馬主として出走させることを可能にする。 |
所得・資産要件 | 通常の馬主登録で求められる所得・資産要件(所得1,700万円、資産7,500万円)は免除される。 |
対象となる馬 | 故人が死亡する前に競走馬としてJRAに登録されていた馬に限られる。 |
制限 | 新たに馬を購入することはできず、あくまで相続した馬のみを所有できる。 |
現実世界の「継承」
この制度は、現実の競馬界でも感動的なドラマを生んできました。
「アドマイヤ」の冠名で知られた故・近藤利一氏が2019年に亡くなった際、妻の旬子氏がこの制度を利用して所有馬を相続。
その直後、相続馬の一頭アドマイヤマーズが海外G1・香港マイルを制覇したことは、
多くの競馬ファンの記憶に新しい出来事です 1。
第7話のその他の見どころ
シャドーロールの怪物
ロイヤルファミリーが装着していた「シャドーロール」は、下方の視界を遮り、
臆病な馬をレースに集中させる効果のある馬具です。
かつて三冠馬ナリタブライアンが装着し、「シャドーロールの怪物」と呼ばれたことから、
この馬具に特別な思い入れを持つファンも少なくありません 1。
ロイヤルファミリーの圧巻の走りも、このシャドーロールが一役買っていたのかもしれません。
坂井瑠星騎手のゲスト出演
ロイヤルファミリーの鞍上として、現実のトップジョッキーである坂井瑠星騎手本人が出演したことも大きな話題となりました。リアルな騎乗フォームと迫力あるレースシーンは、JRA全面協力ならではの魅力です。
まとめ:受け継がれた夢の行方
第7話は、父から子へ、そしてチームへ、夢と情熱が「継承」される感動的な物語でした。耕造の死という悲しみを乗り越え、相続馬限定馬主として父の夢を背負うことになった耕一。彼がロイヤルファミリーと共にどのような道を歩んでいくのか、
そして最大のライバルとなるであろう椎名展之(中川大志)との対決の行方は。
今後の展開からますます目が離せません。