【競馬プロの視点】パドックで勝つ馬を見抜く!馬体の見方完全ガイド
- POPEYE

- 11月12日
- 読了時間: 4分
パドックの見方を解説する3記事シリーズ、第2弾の今回は【馬体編】です。
前回の【基礎編】では、初心者の方がパドックで見るべき5つのポイントをご紹介しました。
今回はさらに一歩踏み込み、競走馬の能力を判断する上で最も重要な要素の一つである
「馬体」の見方を、プロの視点で徹底的に解説します。
この記事を読めば、
あなたもパドックで「走る馬」のオーラを感じ取れるようになるかもしれません。
なぜ馬体の見方が重要なのか?
競走馬はアスリートです。人間のアスリートと同様に、
その体つき(骨格や筋肉)を見れば、どのような能力に秀でているのか、
現在のコンディションはどうなのかをある程度判断することができます。
•適性:短距離向きか、長距離向きか
•能力:パワーがあるか、スピードがあるか
•状態:仕上がっているか、太めか
これらの情報を馬体から読み解くことで、馬券の的中率は格段に向上します。
馬体チェックの3大ポイント
馬体を見る際は、以下の3つのポイントに注目することで、
その馬の特徴を大まかに掴むことができます。
チェックポイント | 見るべき部位 | 判断できること |
1. 全体のバランス | 首、胴、脚の長さや太さの比率 | 距離適性、成長度 |
2. 筋肉の質と量 | 臀部(トモ)、肩、腹部 | パワー、スピード、仕上がり |
3. 馬体重と体型 | 腹回り、肋骨の見え方 | コンディション、成長度 |
ポイント1:全体のバランス - 距離適性を見抜く
まず、馬を遠目から眺めて、全体のバランスを確認しましょう。
特に「胴の長さ」は、その馬の距離適性を見抜く上で重要なヒントになります。
•胴が短く、脚が長い馬:短距離向き(スプリンター)
•四肢の回転が速く、トップスピードに乗るのが得意。
•例えるなら、陸上の短距離選手のような体型。
•胴が長く、脚が短めの馬:長距離向き(ステイヤー)
•一完歩が大きく、スタミナが豊富。
•例えるなら、マラソン選手のような体型。
地方競馬は1200m〜1600mのレースが多いため、
どちらかと言えば胴が詰まった短距離向きの馬体が好成績を収めやすい傾向にあります。
ポイント2:筋肉の質と量 - パワーと仕上がりを見る
次に、馬の筋肉に注目します。特に重要なのが、エンジン部分である臀部(トモ)と、推進力を生み出す肩周りの筋肉です。
•臀部(トモ)の筋肉
•良い状態:丸みを帯びて、張りがある。上から見たときに、お尻が二つに割れて見える「りんご尻」はパワーの証。
•悪い状態:筋肉が落ちて、角張って見える。
•肩周りの筋肉
•良い状態:筋肉が盛り上がり、力強さを感じる。
•悪い状態:筋肉が薄く、貧弱に見える。
また、筋肉の「張り」は仕上がり具合を示します。
皮膚が薄く、筋肉の輪郭が浮き出て見えるような馬は、レースに向けて最高の状態に仕上がっている証拠です。
ポイント3:馬体重と体型 - ベストコンディションか判断する
最後に、馬体重とその体型から、現在のコンディションを判断します。
【基礎編】でも触れましたが、前走からの馬体重の増減は重要な指標です。
•太め残り
•特徴:腹回りがボテっとしていて、肋骨(あばら)が全く見えない。
•判断:まだ絞り切れておらず、本番で能力を発揮できない可能性が高い。
•仕上がっている
•特徴:腹回りがスッキリと引き締まり、うっすらと肋骨が見える。
•判断:レースに向けて最高のコンディション。
•絞れすぎ
•特徴:肋骨がクッキリと浮き出て、全体的に細く見える。
•判断:調教が厳しすぎたか、体調を崩している可能性があり、スタミナ切れの心配がある。
「うっすらと肋骨が見える」状態が、最も理想的な仕上がりと覚えておきましょう。
まとめ:馬体は能力を語る
今回は、パドックでの馬体の見方をプロの視点で解説しました。
1.全体のバランス:胴の長さで距離適性を見抜く
2.筋肉の質と量:トモと肩の筋肉でパワーと仕上がりを見る
3.馬体重と体型:腹回りでコンディションを判断する
これらのポイントを押さえることで、パドックで周回している馬たちが、
ただの馬ではなく、それぞれ異なる能力を持った「アスリート」として見えてくるはずです。
もちろん、馬体だけで全てが分かるわけではありません。
しかし、馬券検討の精度を上げる強力な武器になることは間違いありません。
次回は、シリーズ最終回【実践編】として、
馬の動きである「歩様」と、精神状態を示す「気配」の読み解き方を解説します。
お楽しみに!